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「家つぶれる」積雪に焦り 支援物資への影響不安も


「家つぶれる」積雪に焦り 支援物資への影響不安も 雪が積もり始めた「輪島朝市」付近で捜索活動する警察官ら=7日午前9時59分、石川県輪島市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の被災地は厳しい冷え込みとなり、降雪が強まった。救助活動や復旧作業を妨げるかのように、無情にも雪が積もる。傘を差しながら、物資の入った段ボール箱を抱きかかえる被災者の姿も。「家がつぶれないか」「厳しい状況が重なっている」。不安と焦りが広がった。
 震度7を記録した石川県志賀町の無職岡崎信義さん(77)は自宅が損傷し、車庫での生活を続ける。住み慣れた自宅は目に見えて傾いており「重たい雪が積もればつぶれてしまうのでないか」。なすすべがなく、途方に暮れる。
 七尾市立中島小で避難所運営に当たる女性職員は「積雪や路面凍結の影響で、(支援物資などの)物流が滞るのが怖い」と心配。
 災害の専門家も警鐘を鳴らす。防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲特別研究員(雪氷工学)は「屋根が重くなれば、少しの揺れでも倒壊する危険性が高まることがある」と指摘し、さらなる降雪を警戒する。「道路の被災で除雪も簡単にできない。車や歩いての移動の際は十分な注意が必要だ」と話した。