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極刑言い渡しにうなずく 殺人放火・特定少年 閉廷後も動かず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「主文、死刑に処する」。18日、甲府地裁での判決に臨んだ被告(21)は、裁判長の言葉にうなずいた。最後に裁判長が「考えることを諦めないでください」と言葉をかけると、顔に手を当て、閉廷後も座ったまま前を向き動かなかった。 (1面に関連)
 黒いスーツに身を包んだ被告は傍聴席を気にしながら、裁判長に促されて証言台へ。冒頭で主文後回しが伝えられても、裁判長の方をまっすぐに向き、じっと話を聞いていた。
 「強固な殺意に基づく残虐な犯行」。理由の朗読では当時19歳の少年だった被告が起こした事件に厳しい言葉が向けられた。養父や実母から虐待され、学校でいじめを受けていたなど自身の成育環境に話が及ぶと、うつむいたり頭を傾けたりして落ち着かない様子も見せた。
 昨年10月の初公判では、裁判官の問いかけにも全く応じず、一言も発することはなかった被告。その後の被告人質問では一転し、全ての質問に答えたものの、被害者への謝罪の言葉や反省の様子はなかった。一方で、全22回に及んだ公判では、成育環境について言及され、耳をふさいだりティッシュで涙を拭ったりする場面もあった。