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抜本改革 疑いの声 自民・裏金捜査 「金は強い者に」 億単位の悪習に憤り


抜本改革 疑いの声 自民・裏金捜査 「金は強い者に」 億単位の悪習に憤り 謝罪し頭を下げる安倍派の塩谷立座長(左)と高木前国対委員長=19日夜、東京・永田町
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 億単位の裏金づくりは誰が主導したのか。自民党派閥パーティーを巡る裏金事件は19日、派閥幹部の刑事責任を不問としたまま区切りを迎えた。市民感覚から懸け離れた政界の悪習を浮き彫りにした今回の捜査。深まる政治不信にあらがうように、各派閥は解散方針を打ち出したが、抜本改革には懐疑的な見方も根強い。 (1面に関連)
 自民党派閥を舞台にした巨額の裏金の存在が明るみに出たことで、有権者や市民団体からは怒りの声が相次ぐ。「そんなのがあるなんて信じられない…」。物価高騰などで生活の苦しさが増す中、市民感覚と乖離(かいり)した政界の実態に不信は深まる一方だ。東京地検の捜査結果にも憤りを募らせた。
 「数円単位で日々の生活をやりくりしている人にとってやりきれない」。生活困窮者を支援するNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長(36)は「暮らし向きが厳しい人ほど、政治や行政に不信感を抱きやすい」と指摘、国民の政治不信につながることを懸念した。
 昨年10月に始まったインボイス(適格請求書)制度に反対する市民団体の発起人、小泉なつみさん(40)は「金は強い者に流れ、市民の声が反映されない悪政が当たり前になっている」とため息をつく。捜査を経ても「大事なことは分からなかった」と落胆した。