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「無理な訪問控えて」 能登地震 被災地支援、県内団体訴え


「無理な訪問控えて」 能登地震 被災地支援、県内団体訴え 能登半島地震で発生した大規模な火災で焼失した建物=19日、石川県輪島市の「輪島朝市」周辺(有村博勝さん提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 全国の被災地支援をする団体や個人でネットワークを形成している「一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」の有村博勝共同代表(67)=那覇市=は13日から、能登半島地震の被災地で支援活動に当たっている。過去に地震の被災地支援をした経験を踏まえ「ボランティア活動で無理に被災地を訪れることや、物資を送ることは控えてほしい」と語った。
 (3面に関連)
 有村さんは現在、石川県七尾市にある広域支援拠点を中心に、全国から届いた物資を仕分けし、各地の避難所へ輸送する作業をしている。同様に支援活動をしている糸満市出身で「災害NGO結」代表の前原土武(とむ)さんとも現地で合流し、連携しているという。
 阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震といった大規模災害での支援活動を実施してきた有村さん。過去の地震とは違い、能登半島地震は道路の寸断が特徴的で「物資はたくさんあるのに輸送が難しい。支援が明らかに遅い」と指摘する。
 一方、被災地の役に立ちたいとの思いからボランティアを希望するケースが全国的に増えている。有村さんは「水や食料、寝床は自分で確保しなければならない。支援物資は被災者のもの。安易な気持ちで来てしまえばかえって現場の負担が増す」と指摘する。有村さんの団体の場合、石川県と七尾市の許可を得て活動している。
 その上で「支援金や義援金の寄付が効果的な支援の方法。物資の場合、限られた人員で仕分けをしなければならずかえって労力がかさむ」と指摘する。「義援金」は被災者に直接分配されるもので「支援金」は被災地で活動する団体に送られる。
 有村さんは「沖縄では台風への備えの意識は高いものの、地震や津波への危機感は薄い。災害はいつでも起こりうるという意識を持ってほしい」と被災地から訴えた。
 災害プラットフォームおきなわでは、災害NGO結と共同で、被災地で活動するための支援金を募っている。詳細はホームページhttp://ngoyui.com/donateから。 (渡真利優人)

能登半島地震で発生した大規模な火災で焼失した建物=19日、石川県輪島市の「輪島朝市」周辺(有村博勝さん提供)