有料

宝塚のパワハラ認める 俳優急死 親会社、遺族に謝罪へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の俳優の女性(25)が昨年9月に急死した問題で、歌劇団の親会社阪急阪神ホールディングス(HD)側が歌劇団関係者らのパワーハラスメントなどがあったことを認め、遺族側へ謝罪する意向を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。当初、調査報告書で否定していたハラスメント行為を認める方向にかじを切った形だ。
 阪急阪神HDの首脳陣や不適切な叱責(しっせき)などの言動があった上級生らが遺族側に謝罪するとみられる。遺族側は、上級生らによるパワハラや長時間労働が原因で自殺に至ったと主張していた。
 歌劇団側は、昨年11月に公表した調査報告書で長時間の活動などによる強い心理的負荷を認めた一方、いじめやハラスメントは「確認できなかった」としていた。
 報告書公表時の会見では、村上浩爾理事長(当時は専務理事)が「(いじめがあったと言うなら)証拠を見せていただきたい」と発言。交流サイト(SNS)などインターネット上で非難されていた。
 遺族側は昨年12月、ヘアアイロンで負ったやけどの痕が残った額の写真や母親に被害を訴えたLINE(ライン)のメッセージを証拠として阪急側に送付。その後、歌劇団はパワハラを否定する調査報告書を公式サイトから削除した。
 歌劇団では労働災害が頻発していたことも明らかになっており、女性の急死を受け西宮労働基準監督署(兵庫県西宮市)が歌劇団への立ち入り調査を複数回実施。法令違反がなかったかどうか確認している。