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年収400万円を稼げるまで支援 シングルマザー対象に、NPOがエンジニア養成講座&実務経験を提供 沖縄


年収400万円を稼げるまで支援 シングルマザー対象に、NPOがエンジニア養成講座&実務経験を提供 沖縄 「親の稼ぎが増えれば、貧困の連鎖も断ち切れるかもしれない」と思いを話す齋藤匠理事長(左から2人目)=1月31日、宜野湾市内
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 シングルマザー向けにIT関係のエンジニアを養成する講座などを提供しているNPO法人エブリワン・エンジニア(うるま市、齋藤匠理事長)は講座修了者を対象として、年収400万円を稼げるまで実務経験を提供、支援する事業「フォーミル・スタジオ」を近く開始する。「親の稼ぎが増えれば、貧困の連鎖も断ち切れるかもしれない」と齋藤理事長は展望する。

 趣旨に賛同するパートナー企業から同法人が業務を受託し、講座修了生に実務経験を提供する。現在、パートナー企業は15社で今後増えていく見込み。習熟度に合わせて年収400万円までの昇給が可能で、400万円に到達した後も同法人で働き続けることができる。齋藤理事長は「実務経験を積めば、さらに給与の高い企業への就職も可能」と話し、転職の支援も充実させる。

 齋藤理事長によると年収400万円という額は大学新卒のエンジニアが受け取れる額だという。同法人が提供する講座受講生は、約6割がひとり親世帯だ。年収は200万円前後が最多で、希望年収額を400万円と回答する人が多かった。

 IT系企業の人事や役員を歴任し、業界を熟知している齋藤理事長は「技術を身につけても、実務経験がないと受け入れてくれない企業が多い」との課題を感じていた。「実務経験まで支援する事業を作ろう」との思いがあった。

 齋藤理事長によるとエンジニアは在宅勤務や勤務時間の調整が可能で子育てとの両立ができる職だという。「親がちゃんと稼げるようになって、子どもの経験が増えると貧困の連鎖が断ち切れるかもしれない」と発展に意欲を見せた。養成講座の詳細はエブリワン・エンジニアのホームページへ。

(金盛文香)