海底鍾乳洞から新種カニ ヨミノショウジンガニ 芸大教授ら、恩納で発見 沖縄


海底鍾乳洞から新種カニ ヨミノショウジンガニ 芸大教授ら、恩納で発見 沖縄 ヨミノショウジンガニの雄(藤田喜久教授提供)
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 沖縄県立芸術大学は16日までに、恩納村の海底鍾乳洞から新属新種のカニ類を発見したと発表した。甲羅や脚の形からショウジンガニ科に属することが分かったが、同科に五つある他属のカニ類と著しく特徴が異なっていることから、「ヨミノショウジンガニ属(黄泉之精進蟹)」と名付けて新属を立てた。新種の学名は採集地の沖縄にちなんで「オキナワ」と名付け、和名は「ヨミノショウジンガニ」とした。海底洞窟環境に生息するショウジンガニ科の種の発見は世界初となる。

 県立芸術大学の藤田喜久教授と、琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設の成瀬貫准教授の共同研究で分かった。
 「ヨミノショウジンガニ」は甲羅の幅が1センチ程度の小型種で、脚が非常に細長く、目の角膜が縮小して退化傾向を示しているのが特徴。
 新属名、新種名に含まれる「ヨミ(黄泉)」は、発見したカニが海底鍾乳洞の再奥部の暗黒環境に生息していることにちなんで付けた。
 共同研究は14日付で学術雑誌「ズータクサ」に掲載された。 (嘉数陽)