登山者が多く訪れる名護市の嘉津宇連山で17日、登山道の目印を付け替える作業が実施された。地域住民や名護署、消防から約30人が参加。道迷いが起こったり、滑落の危険があったりする地点には、使われなくなった道路標識を使って危険を周知する取り組みを初めて実施した。岸本一郎勝山区長は「しっかりと準備をして、安心、安全に山登りを楽しんでほしい」と呼び掛けた。
嘉津宇岳や古巣岳、安和岳などが連なる嘉津宇連山ではコロナ禍以降、登山者が急増している。登山者の増加に伴い、山中での道迷いなどの事故も増えており、名護署によると、2022年は、消防や警察が捜索活動で出動するケースが5件起こった。
今年に入っても、目印が付けられていない場所で道に迷い、救助される事案が1件発生しているという。
17日は名護署員や名護市消防、沖縄山岳会、地域住民らが集まり、約2年前に登山道に付けたピンク色の目印を付け替えたほか、遭難した場合に場所が把握できるよう、番号が書かれたアルミのプレートを木にくくりつけ、場所などを記録していた。特に迷いやすい場所には名護署に保管されていた「矢印」の道路標識を、正しいルートを示す道案内として活用した。
勝山公民館に本部を設置し、各場所からの無線の状況も確認した。自身も山に登り、作業に参加した大城伸作名護署長は「登山ルートに目印を付けることは有用だ。劣化した目印を新しくすることで、事故を防いでいきたい」と話した。
(池田哲平)