【図解】沖縄・伊江島で「竜巻」発生、なぜ? 気をつけるべき“予兆”とは 山田広幸・琉大教授に聞く


【図解】沖縄・伊江島で「竜巻」発生、なぜ? 気をつけるべき“予兆”とは 山田広幸・琉大教授に聞く 海上で確認された竜巻と見られる突風=5日午前11時すぎ、伊江島(提供)
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 竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する激しい渦巻きだ。

 台風などの影響で南から暖かい空気が流れ込んだり、上空に冷たい空気が入ってきたりして、地上と上空の気温差が大きくなった時に多く発生している。暖かい空気は上へと昇り、冷たい空気は下へと降りようとするため対流が起きやすくなるからだ。特に、地上と上空で風向きや風速が異なると、積乱雲が回転しやすくなり、竜巻が発生しやすい傾向がある。

 琉球大気象学研究室の山田広幸教授は「一般的には夏に発生することが多いが、冬であっても、地上付近で暖かい南風、上空で冷たい西風のジェット気流が吹いていると起きる」と話す。

 発生の予測は難しいが、気象庁は予兆を挙げ、注意を呼びかけている。

 真っ黒い雲が近づき周囲が急に暗くなる▽雷鳴が聞こえたり雷光が見えたりする▽ヒヤッとした冷たい風が吹き出す▽大粒の雨や雹(ひょう)が降り出す、といった状況だ。

 山田教授は「海に囲まれている沖縄では、アメリカの大平原で起きるような大きな竜巻にはならない。主に木が折れたり、屋根瓦が飛んだりする被害だ」と指摘する。身を守る対策としては、「外には出ず、窓の近くから離れ、できるだけ建物の内側にいることが大切だ」と話している。 (南彰)