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【産業活動】宮城勝氏 沖坤(おきこん)社長 第46回琉球新報活動賞 社会のため情熱一筋 受賞者の足跡紹介


【産業活動】宮城勝氏 沖坤(おきこん)社長 第46回琉球新報活動賞 社会のため情熱一筋 受賞者の足跡紹介  宮城 勝氏(沖坤社長)
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 琉球新報社は第46回(2023年度)琉球新報活動賞の贈呈式を19日午後6時半から那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催する。入場無料、一般参加も受け付ける。祝賀会はない。同賞は「一隅を守り千里を照らす」を基本理念に、社会の一線で活躍する気鋭の個人、団体を顕彰する。今回は社会活動部門でNPO法人こども家庭リソースセンター沖縄(與座初美理事長)、地域振興活動部門で仲宗根朝治氏(FMよみたん社長、読谷村商工会長)、産業活動部門で宮城勝氏(沖坤社長)、文化・芸術活動部門で照屋勇賢氏(芸術家)、出版活動部門で新里堅進氏(漫画家)の1団体4個人に送る。受賞者・団体の功績を紹介する。

廃材から価値生み出す

 1978年、建築内装材を製造・販売する沖坤(おきこん)に入社した。「沖縄らしく、なるべく自然に近いもの」を意識した製品開発に情熱を注ぎ、これまでに琉球石灰岩や風化造礁サンゴを活用した「塗り壁」などを開発してきた。95年に社長に就任し、現在も新製品の開発に取り組んでいる。

 2000年ごろから「使われないものをいかに活用できるか」とリサイクルの視点を意識するようになった。03年の沖縄産業まつりで、赤土などを使った道路舗装材を展示した際、ブースに訪れた人から「塗り壁にも使えるのでは」と提案された。この言葉をきっかけに、琉球石灰岩のほか、風化したサンゴや赤瓦の廃材を使った塗り壁「琉球の塗り壁」を開発した。

 18年ごろからは、泡盛の蒸留かすを原料とした環境に優しい「アミノ酸含有個体化製品」の開発に取り組んでいる。蒸留かすは、もろみ酢などに活用されるが、ほとんどは廃棄されており、資源の再利用が期待される。「一般的に廃棄物として処理されるようなものでも、そこから価値を生み出したい」。環境に配慮した製品開発への意欲は増すばかりだ。

(金城大樹)


 みやぎ・まさる 1950年生まれ、名護市大浦出身。沖坤社長。千葉大学を卒業後、東京都の建設会社を経て、78年に沖坤入社。「沖縄らしさ」を意識し、琉球石灰岩風の東屋などを開発。日本公園施設業協会の理事、沖縄ブロック長を務め、安全な公園づくりに携わった。2023年に黄綬褒章(公園施設業)を受章。沖縄北部法人会の会長などを歴任し、北部地区の経済発展にも尽力した。