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新港撤回陳情 不採択 与那国町議会 比川地区は説明要求


新港撤回陳情 不採択 与那国町議会 比川地区は説明要求 新港計画について臨時総会を開いた比川自治公民館=20日、与那国町の比川多目的集会施設
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【与那国】与那国町議会(崎元俊男議長)は19日、与那国町の湿地帯・樽(たる)舞(まい)湿原で計画されている、新港湾建設を白紙に戻して議論を尽くすよう求める陳情を反対多数(賛成2、反対6、欠席1)で不採択とした。
 一方、新港計画の予定地となっている比川自治公民館(崎枝和成館長)は20日、比川多目的集会施設で臨時総会を開き、新港誘致について町に説明を求める決議を採択した。
 凖会員や自衛隊員を含めた会員75人の内、委任状を含めて55人が参加した。崎枝館長は「新港建設の賛否は別にして、町に説明を求めることについては満場一致となった」とした。その上で「国や町は地域住民を無視し、住民の知る権利が奪われている」と訴えた。
 陳情提出者の一人の植(うえ)埜(の)貴子さんは「議会と住民の思いの乖離(かいり)が明らかになった」と語った。比川自治公民館は今月中に糸数健一町長に説明を求める要請書を提出する。
 新港は政府が安全保障上、必要性が高い民間インフラ施設を指定する「特定利用空港・港湾」の候補地となっている。 (照屋大哲)