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紅こうじサプリ入院26人 小林製薬 供給先も自主回収


紅こうじサプリ入院26人 小林製薬 供給先も自主回収 小林製薬が自主回収を呼びかけている「紅こうじ」のサプリメント
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 小林製薬は25日、腎疾患などの健康被害の恐れがあるとして自主回収を呼びかけている「紅こうじ」のサプリメントを摂取した20人の入院が新たに判明したと発表した。22日の当初発表時点では6人としていたが、電話窓口にサプリ摂取との因果関係が疑われる相談が相次いで寄せられた。

 24日までに確認された入院者数は合わせて26人となった。一時人工透析が必要になった人はいるが、全員命に別条はない。

 被害規模がさらに拡大する可能性が高まり、製品の安全性に対する信頼が根本から揺らぐ事態となっている。

 社外に供給した紅こうじ原料でも、長野県諏訪市のみそメーカー「竹屋」など自主回収の公表が続いた。消費者庁は小林製薬に対し、紅こうじ成分に関する安全性を再検証して報告するよう求めた。

 小林製薬は22日の発表で6人の入院に加え、7人が通院したと明らかにしていた。通院者数も増える可能性があるが、現時点で電話相談による通院件数を集計できていないとしている。

 小林製薬が22日に設置した電話窓口は相談が集中し、つながりにくい状態という。電話回線や相談員を増やして「全社を挙げて引き続き全力で対応する」とした。

 小林製薬は、紅こうじ成分を配合した機能性表示食品のサプリ「紅麹コレステヘルプ」約30万袋など計5製品の自主回収を22日に発表した。

 悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値を下げる効果をうたっていたが、想定とは異なる成分が含まれていた恐れがある。

 子会社を通じ、サプリと同じ紅こうじを食品原料として飲料や食品メーカー、卸売業者など計52社にも供給していた。

 23年は16・1トンを社外に販売し、うちサプリなどに使用された6・9トンの一部に問題の成分が含まれていたとみられる。

 小林製薬は問題の成分の有無に関係なく、自社の紅こうじを使用した製品を自主回収するよう取引先を通じて各社に依頼している。

 紅こうじを使った宝酒造の日本酒など幅広い製品が自主回収の対象となっている。

(共同通信)