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欧州、過去に健康被害 有毒物質起因、使用を制限


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 腎疾患などの健康被害をもたらした可能性がある米こうじの一種「紅こうじ」は、血中コレステロール値を正常に保つ効果が期待できるとされ、国内だけでなく欧州でもサプリメントが販売されてきた。ただ、紅こうじ由来の有毒物質「シトリニン」に起因するとみられる健康被害が複数報告され、使用を制限する動きもある。
 日本の食品安全委員会によると、フランス当局は2014年、紅こうじを有効成分とするサプリを服用する前には医師に相談するよう注意喚起した。筋肉や肝臓の障害が疑われる副作用が25件報告され、シトリニンというカビ毒が原因となった可能性がある。欧州連合(EU)はサプリに含まれるシトリニンの基準値を設定した。
 小林製薬は、自社で製造する紅こうじにはこのシトリニンが含まれていないとして安全性を強調していた。実際、今回の問題発覚後の調査でもシトリニンは検出されなかった。幹部は「原因は特定できていないが、カビ由来の未知の成分ではないか」と話す。
 紅こうじサプリは小林製薬のほか、ファンケルやディーエイチシー(DHC、東京)も展開。紅こうじ原料は食品の着色や風味付けにも利用されている。