接待費の精算名目で領収証の金額を水増しするなどし、県環境科学センターから現金計約731万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元専務理事兼事務局長で無職の被告(61)=浦添市=に、那覇地裁(安原和臣裁判官)は26日、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
安原裁判官は、おおむね起訴内容通りに事実認定した。量刑理由で、犯行が長期間、多数回にわたり「狡猾(こうかつ)」と指摘。一方でセンター側へ2000万円を弁償し、示談が成立していることなどから猶予刑とした。
被告は起訴内容を認め、被告人質問で「大変申し訳ないことをした」と述べた。横領は役員就任後の2016年ごろから始まったと振り返った。営業の接待が多く、「(自腹の)負担があまりにも大き過ぎて偽造した」などと話した。
起訴状によると、被告は17年5月~21年5月、42回にわたって領収証の金額を水増ししたり、架空の領収証を提出したりし、現金を横領したとしている。