重量挙げ男子73キロ級の宮本昌典選手(27)=那覇市出身、東京国際大職員=が4日夜にタイで開かれたワールドカップ(W杯)で4位となり、パリ五輪出場を確定させる瞬間を、父の裕二さん(64)、母の由美子さん=享年61=の姉の崎間喜代子さん(70)ら親族が那覇市内の実家で見届けた。集まったリビングには、2021年に亡くなった母の遺影もあった。
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スナッチ1本目の試技がいつもより高重量でスタートしたため、裕仁さんは「調子がいいんじゃないか」とうなずいた。緊張した面持ちで観戦したが、宮本選手が自らの日本記録を塗り替えると、「上等!」と手をたたいた。「(7位でメダルを逃した)東京五輪の屈辱がある。パリでいい記録につないでほしい」と誇らしげに語った。
母の由美子さんは東京五輪の後に肺がんで亡くなった。病状が悪化する中、パリへ向けてパスポートを取り、応援に駆けつけるつもりだったという。崎間さんは「妹はパリのことを楽しそうに話していた。妹も(病気と闘って)頑張ったし、まー君(宮本選手)も頑張った」とたたえた。
宮本選手はW杯に臨む前、亡くなった母について「今でも一緒に戦っていて、いつでも見守ってくれていると信じてる」と語っていた。家族の優しいまなざしを感じながら、パリの大舞台に立つ。
(古川峻)
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琉球新報朝刊
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