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米軍跡地を「宅地」購入したら廃棄物… 北谷町に213万円の賠償命じる判決確定 最高裁、上告受理せず 


米軍跡地を「宅地」購入したら廃棄物… 北谷町に213万円の賠償命じる判決確定 最高裁、上告受理せず  土地(イメージ写真)
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 米軍嘉手納飛行場の一部返還地を北谷町から購入した住民が、地中から廃棄物が見つかったとして損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は町側の上告を受理しない決定をした。3日付。請求を棄却した一審判決を変更し、町側に約213万円の賠償を命じた二審判決が確定した。

 二審福岡高裁那覇支部判決によると、町は1996年に嘉手納飛行場を一部返還された。住民は返還地の一部を宅地購入する契約を町と結び、2008年までに建物を新築。その後、周辺の地中から鉄くずやガラス片などの廃棄物が発見され、防衛省沖縄防衛局は「米軍に起因する可能性が高い」と判断した。

 訴訟で住民側は「土地は通常有すべき品質、性能を欠いていた」などと主張。22年の一審那覇地裁沖縄支部判決は、廃棄物の安全性が確認されていると判断し、「生活環境上問題がなく、宅地利用に与える影響は軽微」として請求を退けた。

 これに対し、23年の二審判決は、廃棄物が健康などに与える潜在的危険が現実化するかもしれないとの嫌悪感などによって「土地の取引価格を減少させる」と認定。町側は市場価値を減少させた責任を負うべきだと結論付けた。〔共同通信)