県下水道事務所は4日、県が管理する浄化センター4施設の流入下水と放流水、脱水汚泥の有機フッ素化合物(PFAS)の2023年度の調査結果をウェブサイトで公表した。米軍普天間飛行場の下水が流れ込む宜野湾浄化センターに加え、那覇、西原、具志川の3カ所も追加測定した。4施設すべてで流入水と放流水、脱水汚泥それぞれからPFASが検出された。
流入水は、普天間飛行場の下水が流入する宜野湾の牧港幹線系統でPFOSとPFOAの合計が1リットル当たり30ナノグラム(23年10月測定、ナノは10億分の1)と最も高く、処理施設を経由して海に流れる放流水も、宜野湾(2系)が21ナノグラム(同10月測定)と高かった。
乾燥させた汚泥に含まれるPFASを測定する脱水ケーキ(汚泥)試験では、24年1月に宜野湾でPFOSとPFOAの合計が1キログラム当たり16マイクログラム(マイクロは100万分の1)、23年10月は26マイクログラムだった。那覇でも16マイクログラム検出された。
県下水道事務所によると、下水道法ではPFASの濃度基準がないため評価できないとしている。
一方、水質について国は暫定指針値をPFOSとPFOAの合計1リットル当たり50ナノグラムと定めている。
県は、21年に在沖米海兵隊が米軍普天間飛行場に貯蔵していたPFASを含む汚染水放出を機に、宜野湾浄化センターの水質や汚泥のPFAS測定を始めた。23年度はその他の地域の実態把握のため、県管理の他3施設も調査した。
(慶田城七瀬)