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「PFAS ゼロ目指して」 米基準厳格化 県内でも動向注視


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)について、米環境保護局(EPA)が飲み水の濃度基準をPFOSとPFOA各1リットル当たり4ナノグラムと厳格化した。
 発表を受け、基地周辺や全県調査などを所管する県環境保全課では情報収集に努めている。
 県企業局は渇水対策としてPFAS濃度の比較的高い中部水源から2月以降取水を再開しているが、玉城デニー知事は11日、「水事情が好転すれば中部水源からの取水はまた中止して、安全安心な水の供給を心がけていきたい」と話した。
 米国の基準では、現実的に検査や削減が可能な規制値を4ナノグラムと採用したが、PFOSとPFOAに安全な摂取量は存在しないとして、強制力のない目標値はゼロと決定した。PFAS対策について行政への働き掛けを続ける宜野湾ちゅら水会の照屋正史さんは「技術的な面で4ナノグラムなのかもしれないが、基本はゼロを目指すべきだ。目標値をゼロにしたのは大きい。日本も現在の50ナノグラムではなくゼロを目指すべきだ」と話した。
 PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会(伊波義安氏ほか共同代表)は11日、県に米軍基地への立ち入り実現や汚泥肥料や農林水産物、血中濃度などの調査実施を各課で連携して取り組むよう要請した。
 (沖田有吾、慶田城七瀬、中村優希)