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バス来ないバス停で、待ち続ける男性も…嘉手納基地の不発弾処理 当日周知に住民ら困惑 沖縄


バス来ないバス停で、待ち続ける男性も…嘉手納基地の不発弾処理 当日周知に住民ら困惑 沖縄 町職員の送迎で避難所に来た住民=25日、嘉手納町のかでな未来館
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

【嘉手納】米軍嘉手納基地で不発弾処理が実施された25日、嘉手納町役場周辺などが避難区域に設定された。処理当日の周知に住民らは驚きとともに避難した。国道58号も午後7時半から交通規制が敷かれ、渋滞が発生した。不発弾処理を知らなかった人からは困惑の声が上がった。 

 25日午前、要避難区域に含まれる南区自治会の新城康雄会長は地域の民生委員から「避難場所はどこ?」と電話が来て、不発弾処理のことを知った。自治会事務所の窓の外では町役場の職員が周知のために1軒ずつ住宅を訪ねていた。「役場と連携して呼びかけないと」「地域の防災無線を使うか」と対応に悩む。突然の出来事に「びっくり」と混乱ぎみだ。

 避難場所はかでな未来館と嘉手納中央公民館に設置された。開所した午後6時以降も、近隣の住宅を訪ねる町職員の姿があった。

 午後7時前、町職員の送迎でかでな未来館に来た、町嘉手納の南区に住む豊見山栄一さん(81)は「人のやることには間違いがあるから心配だ」と避難を決めた。同地域に住む80代の女性は、午前に職員が直接訪問してきて不発団処理のことを知った。「びっくりしたけど、家にいたらまずいと思った」と避難所に足を運んだ。

 午後7時40分ごろ、町水釜の交差点が規制された。国道を北上する車で渋滞が発生。交通規制のため、路線バスは迂回(うかい)運行を余儀なくされた。交通規制を知らず、水釜のバス停でバスを待っていた65歳の男性=読谷村=は、嘉手納に住む友人に会いに行った帰りだった。「まいった。まさかこうなるとは…」と頭を抱える。9時からは読谷村で知人と会う約束もあった。「足が悪いんだけど」と言いながら、バスが止まる嘉手納のバス停まで歩き始めた。 (金盛文香)