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沖縄市の小学校で「不適切指導」の訴え 保護者らが市議会、県議会に陳情書


沖縄市の小学校で「不適切指導」の訴え 保護者らが市議会、県議会に陳情書 教室(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【沖縄】沖縄市内の小学校の保護者らが、2023年度の4年生のクラスで教員が児童に教室内でクラス全体へ謝罪させたり、児童の机を教室横の広場に移動させたりするなどの不適切とみられる指導があったと訴えていることが分かった。保護者らは1日に沖縄市議会と県議会に陳情書を提出し「不適切指導」に関するマニュアルの策定を求めた。これを受けて市教委はマニュアルを策定中だという。

 陳情では「不適切指導」の定義や学校で使用される文言の定義、「不適切指導」に関する調査方法などのマニュアル化を求めている。

 学校側は該当教員への聞き取りなどから、教員が何度も注意したが、聞かない児童の机を移動させたと認めている。市教委は「対象児童に適した指導方法ではなかった」と述べた。一方で、教室と横の広場の間に仕切りがないことから「授業に参加可能だったため、『不適切指導』とは認められない」と説明した。

 保護者らは、聞き取り調査が不十分として市教委に再調査を求めているが、市教委は児童へのアンケートなどの結果から再調査は実施しないことを決定している。

 琉球大元教授の丹野清彦氏(教育学)は「保護者と学校の信頼関係のためには歩み寄りが重要だ。再調査の実施や、再調査でなくても納得のいく説明が必要だろう。机の移動が不適切な指導かについては、時間や状況などによる。これらを学校が説明できれば保護者の疑問も薄らぐだろう」と述べた。

(福田修平)