クマによる被害が多い秋田県に、山里の魅力を伝えるためツキノワグマのグッズを企画・販売している東京からの移住者がいる。作ったのは黒地に胸の白い三日月模様をあしらったTシャツやバッグ。「くまとくらす」のキャッチフレーズに込めた思いは―。
大穂耕一郎さん(70)が運営する「くまのたいら企画」は北秋田市阿仁(あに)地区にある。クマ猟で有名な「マタギ」の発祥の地とされ、大穂さんは「自然が生活と直結する雪国の暮らしが今に生きている」と魅力を語る。
鉄道ファンで大学1年の時、旧国鉄阿仁合線(あにあいせん)に乗って初めて地区を訪れた。1997年には阿仁とクマをテーマにした絵本も出版した。
秋田内陸線が廃線の危機に直面した2003年以降、存続運動に参加。11年に移住して来た。
マタギはクマの毛皮、肉、内臓と余すところなく生活の糧にしてきた。害獣ではなく「山の神様からの授かり物」で、現代でも恐ろしいながらも愛される存在だ。「阿仁を知るにはクマを身近に感じてもらうのがいい」とグッズ製作を決めた。
人との共生が課題に浮かんだ中、「グッズがクマを取り巻く状況を考えるきっかけになってほしい」と話した。
商品はTシャツ、パーカ、トートバッグなど。道の駅「あに」やインターネットで買える。
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クマで伝える山里の魅力 秋田 移住者がグッズ販売
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琉球新報朝刊
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