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撤去の朝鮮人追悼碑再現 AR技術のアプリ開発


撤去の朝鮮人追悼碑再現 AR技術のアプリ開発 朝鮮人労働者の追悼碑跡地でアプリのテストをする情報科学芸術大学院大学の前林明次教授=4月10日、群馬県高崎市
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 群馬県が撤去した朝鮮人労働者の追悼碑を、拡張現実(AR)技術で画面上に再現するアプリを、情報科学芸術大学院大学(岐阜県大垣市)の前林明次教授(59)が開発した。「碑がなくなっても、加害の歴史について知るきっかけになってほしい」と意気込む。
 碑は太平洋戦争中に徴用された朝鮮人労働者の追悼を目的とし、市民団体が群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」に県の許可を得て設置した。県は後に、追悼式の出席者の発言が「政治的行事を行わない」との許可条件に反するとして市民団体に撤去を命じた。団体側が応じず、今年1~2月、行政代執行で撤去した。
 アプリ「AR朝鮮人追悼碑」は米アップルのスマートフォンやタブレットに対応。起動し、追悼碑の跡地にカメラをかざすと、CGソフトで作成された碑の画像が画面に浮かび上がる仕組みだ。大きさや距離感も忠実に再現し、裏面に日本語とハングルで書かれた碑文も読むことができる。