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重なった「爆破予告」と放置スーツケース…不審物騒ぎ、那覇市役所が下した難しい判断 沖縄


重なった「爆破予告」と放置スーツケース…不審物騒ぎ、那覇市役所が下した難しい判断 沖縄 安全が確認され、避難場所から庁舎に戻る市役所職員や市民ら=7日午後4時13分、那覇市泉崎(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉陽 拓也

 爆破予告メールと持ち主不明のスーツケースという、全く別の二つの事案が重なったことで、本庁舎の業務が約3時間停止し、市職員や市民ら約2千人が避難する事態となった那覇市。島袋久枝総務部長は避難解除後、「市民の命が大事。リスクがある場合は対応しないといけない」と難しい判断を迫られた背景を語った。

 市に送られた爆破予告メールには「那覇市」を特定する文言はなく、県内では沖縄市や浦添市でも同様のメールが確認されている。那覇市は7日午前中に各公共施設で不審物がないことを確認したが、午後0時20分ごろに本庁舎でスーツケースの忘れ物を発見。爆破予告メールとタイミングが重なったこともあり、県警と相談して避難を決めた。

 結果的に何事もなかったが、島袋総務部長は「もしも(メールと)関連していたら大惨事になっていたかもしれない」と説明。本庁舎では転出入や国民健康保険、生活保護、子育て関連など多くの部門で業務停止を余儀なくされたため「市民に多大な迷惑を掛けた」と述べた。

 愉快犯のようなメールに振り回されたことには「業務妨害といったら大げさかもしれないが、今日しか来ることができなかった市民には申し訳ない思いだ」と、悔しさをにじませた。

 市は、業務への影響をホームページで公表する予定。 

(嘉陽拓也)