沖縄・久高島のイラブー漁「文化共有を」 記録映画、都内で上映


沖縄・久高島のイラブー漁「文化共有を」 記録映画、都内で上映 「久高島のイラブー」の一場面。燻製小屋(トゥンチグヮー)で、イラブーを手にする女性=1978年11月撮影(ⓒ東京シネマ新社/文化財映像研究会)
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 一度途絶えた久高島のイラブー(エラブウミヘビ)漁と燻製(くんせい)の工程を記録し、復活させた住民の継承にかける思いなどを描いた映画「沖縄久高島のイラブー」(岡田一男監督)がこのほど完成した。6日に東京都新宿区の紀伊國屋ホールで上映会と成果報告会が開かれ、岡田監督は久高島の全世帯にDVDなどで配布する考えを明かし「映像は誰のものか。文化を共有する時代が来ている」と意義を語った。今夏から今秋にかけて県内でも公開を予定している。

イラブーの燻製を手に、映画について語る岡田一男監督(左端)=6日、東京都新宿区

 1978、79年に岡田監督がイザイホーの記録映像を撮影した際、同時に撮ったイラブー漁に関連するフィルムをデジタル化した。2023年にイラブーの大漁を祈願する祭祀(さいし)ハンジャナシーに合わせて監督らが来島し、祭祀の模様や住民の声を新たに撮影した。

 映画では78年当時、最も若かった神女が記憶をたどって供物の配置など現在の区長らに伝統をつないでいく様子のほか、イラブー漁を復活させた人々が継承に対する決意を語っている。

 1978年を最後に中断しているイザイホーと同様、イラブー漁も後継者の不足などで1990年代に途絶え、住民らの努力で2000年代に復活した。映画では78年当時の工程も、住民の承諾を得て一部を除いて詳細を残しており、記録映像としても貴重だ。

(金城潤)