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<step 自分らしく一歩前へ>笠井信輔さん(フリーアナウンサー) がん治療、生活の質大切に 沖縄


<step 自分らしく一歩前へ>笠井信輔さん(フリーアナウンサー) がん治療、生活の質大切に 沖縄 講演する笠井信輔さん=11日午後、那覇市泉崎の琉球新報ホール
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 「step~自分らしく一歩前へ」の第2期第3回講座が11日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれ、元フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんが登壇した。2019年にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断され現在は回復した笠井さんが、生活の質(QOL)の向上を意識しながらがん治療を乗り越えた体験談などを語った。

 笠井さんはフジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」のキャスターを20年務めた。毎日午前3時には自宅を出るため、平均睡眠時間は3~4時間の生活だった。19年にフリーになってすぐ病気が見つかり「当時は働きすぎた」と振り返った。診断時にはステージ4で死を意識したが、4カ月半入院して治療し、完全寛解した。

 入院中は抗がん剤による副作用の影響で髪の毛と眉毛が抜けた。眉メークをしたことでストレス軽減になったという。食欲不振にもなったが、制吐剤を使用したことで食べても吐かず、体重軽減も抑えられた。
笠井さんは「がん治療は怖がりすぎることはない。我慢を美徳と考えず、希望を医師に伝えて痛みをコントロールすることが大事だ」と語った。

 コロナ禍の入院では、オンラインで友人とつながれたことが精神的な支えになったという。笠井さんの母もオンラインで同窓会を開催しているといい、「高齢者ほどデジタル機器の操作を身につけることで、人とコミュニケーションが取れ、明るい楽しい老後を送れる」と話した。

(中村優希)