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対話型で自分事に 体験共有、在り方探る


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 次世代への継承の在り方も議論になった。
 沖縄キリスト教学院大で教える望月智さん(56)は「私たちは沖縄戦の体験を直接聞ける最後の世代で、若者に語り継ぐことが大事。世代で感覚に違いがあるが、一方的に教え込むのではなく、問いかけをして一緒に考えることを大切にしている」と語った。
 本村杏珠さん(22)は大学生中心の500人に平和学習のアンケートをしたところ、「集団自決(強制集団死)」を「集団自殺」と書いた回答が約10件あったと紹介。「机で学ぶだけでは沖縄戦の悲惨さや実態を自分事として学ぶことは難しい」と語り、慰霊塔訪問など「体感を通した学習」を提案した。又吉朝飛さん(22)も「被害者目線での語りに共感を得にくい実態がある」と課題を指摘した。こうした提起も踏まえ、発表者が輪になって考えを深める「哲学対話」も行った。
 最後に琉球新報の藤原健客員編集委員が「プロジェクトは戦争をしない・させないが出発点で、やり続ける」と締めくくった。継承プロジェクトは2026年まで実施を予定。3期目は詳細が固まり次第、本紙で発表する予定。  (南彰)