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土砂災害10年へ 防災意識新たに 広島市で講演会


土砂災害10年へ 防災意識新たに 広島市で講演会 「広島市豪雨災害伝承館」で開かれた防災講演会=26日午後、広島市安佐南区
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 広島市で計77人が亡くなった2014年の土砂災害から8月で10年となるのを前に、「広島市豪雨災害伝承館」(同市安佐南区)が26日、防災講演会を開いた=写真。約100人が参加し、講演後は実際に被災地を見学。防災への意識を新たにした。
 広島地方気象台長の徳広貴之氏は、この10年間で災害を軽減するために早期の情報提供や、地域の防災支援強化を進めていると説明。「全力で支援するが、命を守る行動が取れるのは住民自身だ」と強調した。
兵庫県立大大学院の沢田雅浩准教授(災害復興計画)は、過去の復興事例から住民の主体性が重要だとし、「日々の自治会活動などに防災・減災のヒントが詰まっている。ぜひ取り組んでほしい」と呼びかけた。親族が犠牲となった広島市安佐南区のアルバイト川本茂さん(64)は、「学んだことを家族に伝えたい」と話した。
 土砂災害は14年8月20日未明、記録的な豪雨により発生。広島市安佐北区、安佐南区の住宅地を土石流や崖崩れが襲い、74人が死亡、3人が災害関連死と認定された。