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逗子傷害事件 米に補償請求へ 米兵、賠償できぬ恐れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 神奈川県逗子市で2022年7月、米海軍横須賀基地所属の米兵クリーガー・ダニエル被告(30)=傷害罪で公判中=から体当たりされて重軽傷を負ったとして、男女4人が計約2100万円の損害賠償を求めた訴訟に絡み、勝訴しても被告が賠償金を支払えない恐れがあるとして、原告側が米政府に補償金を求める手続きを14日に始めた。
 日米地位協定では、公務外で事件や事故を起こした在日米軍の米兵らに支払い能力がない場合、被害者は米政府に代わりに支払うよう請求できる。請求できるのは発生日から2年以内。
 14日、4人のうち顔面骨折などの重傷を負った女性(60)側が「損害賠償請求書」などを防衛省南関東防衛局(横浜市)に提出。残り3人の書類も順次出す予定。今後、同局が報告書を作成し、防衛省から米側に送付、米当局が審査して支払うかどうかを決定する。
 4人の代理人弁護士で、米軍事件に詳しい中村晋輔弁護士は、勝訴しても賠償金全額の支払いは難しいとみており、米政府の補償金に関しても「私が経験した事件では過去に(額を)満たした例はない」と指摘する。