戦時遭難船舶遺族会は15日、那覇市若狭にある疎開船の戦時遭難船舶犠牲者の慰霊碑を清掃する「お清め」を行った。同会の大城敬人事務局長(83)や同会会員ら約10人が参加した。参加者らは「海鳴りの像」や犠牲者の刻銘板をタオルで拭き、歩道も清掃した。
「海鳴りの像」は、太平洋戦争下に県民らを乗せて米軍に撃沈された船舶のうち「対馬丸」を除く戦時遭難船25隻の犠牲者を追悼している。お清めは毎年、慰霊の日を前に実施している。
大城事務局長によると、海軍少年航空兵の志願者だった石垣市出身の大浜保府さんの名前が、湖南丸の一般乗客として犠牲者の刻銘板に載っていたことが関係者の指摘で3月に分かった。
これに伴い、同遺族会は15日、「海鳴りの像」の刻銘板に刻まれた犠牲者の所属などについて改めて確認した。海軍少年航空兵志願者18人が一般乗客として掲載されていたことを確認したという。さらに、本来は刻銘されるはずの海軍少年航空兵志願者37人が刻銘されていなかったことも判明した。今後も調査を進める予定。
大城事務局長は、政府が台湾有事を想定し進める避難計画について「先島から住民を避難させる話があるが、『海鳴りの像』を見に来れば、それは無理だということが分かる」と話した。 (狩俣悠喜)
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心込め、海鳴りの像清め 戦時船舶遺族会 慰霊の日を前に
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琉球新報朝刊
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