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「なぜ謝らない」返答せず 米司令官、総領事 表情なく


「なぜ謝らない」返答せず 米司令官、総領事 表情なく 県への説明後、県庁を後にする第18航空団司令官のニコラス・エバンス准将(中央)、マシュー・ドルボ在沖米国総領事(右)=27日午前9時46分、那覇市(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米兵による少女誘拐暴行事件を受けて、事件の説明のため県庁を訪れた米軍嘉手納基地の第18航空団司令官ニコラス・エバンス准将と在沖米総領事館のマシュー・ドルボ在沖米総領事は、終始表情を変えることなく淡々とコメントを述べ、謝罪の言葉はなかった。 
 午前9時25分、県庁6階の会議室にマスコミ各社が詰めかける中、エバンス氏とドルボ氏が到着した。その後、定刻通りに池田竹州副知事も入室した。
 エバンス氏が「私は嘉手納基地のニコラス・エバンス准将です」と日本語で自己紹介し、英語で説明を始めた。「この件に深い懸念をもっており、皆さまにご心配をお掛けしていることを遺憾に思う」と話し、起訴された米兵に責任が求められることや、地元当局の捜査や裁判に協力する姿勢を述べた。
 続いて池田副知事も冷静な様子で抗議文を読み上げた。再発防止策を講じることや被害者への謝罪などを求め、両氏に文書を手渡した。
 司会から「何かコメントはありますか」と問われると、エバンス氏は「申し上げることはございません」、ドルボ氏も「私の方から特別コメントの方は今はございません」と答えた。
 池田副知事が具体的な再発防止策を尋ねたが、エバンス氏は「リバティー制度を常に見直しており、その時々に応じて適切に対応していく」と述べるにとどめた。面談は15分ほどで終了した。
 会議室を出て、マスコミ各社に囲まれた両氏は質問に応じたが途中で切り上げた。「今回なぜ謝罪がないのか」と記者に問われたが、答えずにエレベーターに乗り込んだ。 (中村優希)