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新たに76人死亡疑い 小林製薬紅こうじ 国への報告遅れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省は28日、小林製薬(大阪市)の紅こうじサプリメントを摂取後に死亡した疑いで調査している事例が新たに76人に上ったと発表した。武見敬三厚労相は直前まで報告がなく遅れたことに「極めて遺憾だ。今後の死亡事例の調査は小林製薬に任せておけず、厚労省が直接管理する」と述べた。健康被害の発生公表から3カ月が経過して死亡疑いが大幅に増加、食品による被害として異例の規模となった。
 小林製薬には死亡を疑う相談が170人から寄せられていた。うち94人は摂取していないことなどが確認され、無関係だった。76人の死亡原因に関しては、腎関連疾患だけではなく、がんや脳梗塞、肺炎なども含まれる。当初は腎疾患に絞って死亡疑いを公表していたが、幅広い疾患に拡大したとしている。
 厚労省は今月13日、追加の死亡事例があるかどうかを問い合わせ、翌14日に「事例がある」と小林製薬から回答があった。詳細な報告を求めたところ、27日になってから「遺族からの相談が170人分あった」と説明を受けたという。
 厚労省は、76人に関する調査の計画を29日までに報告するよう求めた。小林製薬は「国民の皆さまに多大な心配をかけてしまった」と謝罪。3月に発表した死亡疑い事例5人のうち、1人はサプリを摂取しておらず関連がないことも公表した。
被害が疑われる人へ通院費用の補償を専属で担当する「補償対応本部」を新設することも発表した。