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中2凍死「いじめ主原因」 旭川、再調査委が認定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が凍死した問題で、再調査委員会が「いじめが自殺の主たる原因」として、因果関係を認める結果をまとめたことが29日、調査関係者への取材で分かった。尾木直樹委員長らが30日午後、今津寛介市長に調査終了を報告した後、記者会見で公表する。
 当初調査に当たった第三者委員会は22年9月、因果関係を「不明」としており、認定は初めて。ずさんな対応を続けた学校や市教育委員会の責任が改めて問われる。
 再調査委は、遺族側が新たに提出した広瀬さんの約4千件の交流サイト(SNS)の発信履歴を分析。いじめを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)となり、自尊感情の低下などが亡くなる直前まで続いたと認め、いじめがなければ自殺は起こらなかったと結論づけた。
 先輩がわいせつな動画などを繰り返し求めたり、菓子をおごらせたりしたことに加え、新たに同級生が差別表現である「ガイジ」などと悪口を言ったこともいじめと認定。クラスで孤立し、先輩との関係に依存を強めて「性を差し出さざるを得なかった」と分析した。
 広瀬さんは19年4月に中学へ入学し、同6月、自殺未遂をして入院。転校したが不登校が続き、21年2月に失踪し、翌月に遺体で見つかった。
 因果関係を認めなかった第三者委の報告に遺族側が反発し、市が再調査を決めた。22年12月以降、計22回の会合を重ねた。