2023年6月、糸満市に住む当時73歳の男性の首元をはさみで切り付けたとして、殺人未遂などの罪に問われた滋賀県の無職の被告(38)の裁判員裁判の判決で那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)は11日、懲役4年(求刑懲役7年)を言い渡した。
佐藤裁判長は判決理由で、被告の犯行の背景として、幼少期にパチンコで負けた父親から虐待され、父親のギャンブルが原因で両親が離婚したことなどからギャンブルへの「強い嫌悪感」があったと指摘した。被害男性と父親の賭けマージャンを止めさせるために犯行を及んだことに「同情しないではない」としながらも、「無関係な被害者を傷付けるとの判断」は「身勝手で浅はかなもの」と判示した。犯行時、飲酒のため酩酊(めいてい)状態だったことが与えた影響については「強いものであったとは認められない」と刑事責任能力を認めた。