〈１１〉　植民地主義、改めよ　沖縄大学非常勤講師　親川志奈子さん

　日頃、自治体から不審者情報が流れてきて、私たちは子どもを守るために地域の見守りに行ったり、声をかけあったりすることができている。政府は今回、「被害者のプライバシーを守るために情報提供しなかった」と言うが、隠蔽（いんぺい）でしかない。私たちは被害を受ける側なのに、何も知らされず、被害者のために声を上げることも、政府や米軍に訴えることもできなかった。
　米国防総省の情報を調べたジャーナリストの記事を読むと、沖縄の私たちが知っている情報との間に雲泥の差がある。米側は「沖縄なら大丈夫」と逃げ得のような成功体験も重ねているのだろう。何世代も背負わされてきた問題にふたをする作業しか日本はしていない。日本と米国が沖縄を犠牲にしている植民地主義のシステムを早く改めたい。
　安全が守られ、もし何かあった時には被害者が守られ、加害者が罰せられることが当たり前の沖縄にしたい。１５日からジュネーブで開かれている国連のイベントでも訴え、国際社会に働きかけていきたい。　（南彰）
　　（随時掲載）