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石垣 日米訓練「計画ない」 19年防衛局説明 現状異なり住民批判


石垣 日米訓練「計画ない」 19年防衛局説明 現状異なり住民批判 日米共同訓練の中止を求め、声明を発表する石垣島の平和と自然を守る市民連絡会=16日、石垣市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【八重山】2019年2月13日に石垣市民会館大ホールで開かれた石垣駐屯地建設に関する住民説明会で、沖縄防衛局の伊藤晋哉局長(当時は企画部長)が「石垣島で米軍と共同訓練を行う計画は全くごさいません」と説明していたことが16日、分かった。日米共同訓練実施を懸念する住民の質問に答えていた。当時の伊藤氏の説明とは異なり、石垣市などでは昨年10月に続き今年も日米共同訓練(レゾリュート・ドラゴン24)が実施される。
 市民団体が当時の住民説明会の様子を動画で撮影していた。市民からは伊藤氏や防衛省側に対し「無責任だ」と批判の声が上がっている。
 動画では、石垣島に陸自が配備されれば米軍が共同使用し日米共同訓練が実施されるのではないかと住民が訴えて説明を求めたのに対し、伊藤氏が「石垣島で米軍と共同訓練を行う、また米軍がこちらに配置をするという計画は全くございません」と回答したことが確認できる。
 一方、19年2月27日に川原公民館で行われ、本紙も取材した住民との面談で防衛省側は、米軍との共同使用・訓練について「現時点で全く計画はない」と将来的な可能性を否定しなかった。
 石垣島の平和と自然を守る市民連絡会は16日、訓練の中止を求める声明を発表した。石垣駐屯地開設後「日米一体の軍事要塞(ようさい)化が進んでいる」と指摘し、同訓練の「常態化に断固反対を表明し中止を求める」と訴えた。会は19日に石垣駐屯地に申し入れをする予定。
 日米共同訓練実施が予定されている与那国町でも、与那国島の明るい未来を願うイソバの会と町民有志が16日、訓練の停止を求める要望書を陸自与那国駐屯地と町役場に提出した。要望書は「東アジアの軍事的緊張を高める一切の動きを容認できない」として、訓練の即時停止を求めた。
  (照屋大哲)