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「こんなに高温な時期になぜサンゴ移植」 ヘリ基地反対協が県に中止を要請 辺野古新基地建設 沖縄


「こんなに高温な時期になぜサンゴ移植」 ヘリ基地反対協が県に中止を要請 辺野古新基地建設 沖縄 県の担当者(左)にサンゴ移植の中止などを求めるヘリ基地反対協議会・海上行動チームのメンバーら=7日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 ヘリ基地反対協議会・海上行動チームは7日、県庁を訪れ、名護市辺野古の基地建設に伴う大浦湾のサンゴ移植中止と、ジュゴンの調査を県に求めた。同チームは、7月18日から8月3日のうちの7日間、ダイビングコンピューターを使って移植現場付近の海水温を計測し、29~35度を観測した。海水温が高く、現場ではサンゴの白化が見られるとして市民らは移植作業の中止を求めた。

 サンゴの移植について県は、サンゴの生存率を高めるため適切な時期を選ぶことなどの条件付きで認めている。

 防衛省が示す基準では、海水温が28・92度以上などの3条件に該当する場合、有識者でつくる環境監視等委員会の指導・助言を得た上で、サンゴの移植作業を実施するかどうか判断することを定めている。今調査では3条件のうち、少なくとも海水温は基準を上回る結果だった。

 海上行動チームの中原貴久子さんは「こんなに高温な時になぜ移植するのか。サンゴにとってストレスだ」と話す。

 サンゴ移植に詳しい東京経済大学の大久保奈弥教授によると、オーストラリアのサンゴ礁で昨年、記録的な暑さから大規模な白化現象が起きた。今年の夏は日本でも大規模な白化が起きる可能性が高いとして「辺野古側で移植されたサンゴは既に多くが死滅し、絶滅危惧種のオキナワハマサンゴも実質的に全滅した。現状では移植してもサンゴは救えない」とコメントした。 

(中村優希)