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【動画】「ハーイヤ」引き手一体 那覇大綱挽 伝統、平和への思いつなぐ 沖縄


【動画】「ハーイヤ」引き手一体 那覇大綱挽 伝統、平和への思いつなぐ 沖縄 かけ声を連呼しながら力を合わせ、世界最大級の大綱を引く参加者=13日午後4時3分、那覇市の久茂地交差点 (ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉陽 拓也

 市民県民だけでなく国内外の観光客が詰めかけた第54回那覇大綱挽は、昨年を上回る約28万人(主催者発表)が参加し、「ハーイヤ」のかけ声で一丸となって盛り上げた。今年は過去最短の約6分で東側が勝利し、2連勝を果たした。伝統や平和をつなぐ大綱を引いた参加者は喜びの拳をあげた後、カチャーシーを踊り盛り上げた。

 勝利した東側で綱を引いた﨑枝寿晴さん(10)=那覇市=は「(綱が)重たかった。楽しかった」と充実した様子だった。母親の美帆さん(39)は「伝統をつなぐという意味で綱を引いた。『ハーイヤ』のかけ声と、周囲で上がっている旗頭が心に響いた」と話した。

 安里昌雄さん(54)=那覇市=は孫のラモス有真ちゃん(4)と参加した。綱を引いて赤くなった手のひらを見せながら「あっという間に終わったが、一体感があって楽しかった」と話した。

 1450年の琉球王国時代まで歴史をさかのぼる那覇大綱挽は、戦争の影響で1935年に途絶えた。その後、71年に那覇市制50周年記念事業として復活した。44年10月10日に米軍の空襲で旧那覇市が焦土と化した10・10空襲からの復興や平和を祈念する目的で開催されてきた。

 今年は10・10空襲から80年の節目。那覇大綱挽保存会の宜寿次均副会長は「綱を通して皆が一丸になることで、平和への思いもつながっていく」と、参加者の笑顔を見ながら語った。 

(嘉陽拓也)