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<安里英子さんを悼む>糸数慶子(パリテカフェ@沖縄共同代表) 沖縄、世界愛し 平和発信


<安里英子さんを悼む>糸数慶子(パリテカフェ@沖縄共同代表) 沖縄、世界愛し 平和発信 安里 英子さん
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 英子さんとは、私がまだバスガイドをしていた頃、社会運動や選挙応援の現場で出会った。女性がまだ少ない中で、彼女は子どもを連れて現場にいた。必然的に意気投合してもう40年の付き合い。喜びも泣き言も、何でも共有した親友。大きな存在を亡くした。訃報に涙が止まらなかった。

 私が社大党から県議選に出ないかと声がかかった時も、真っ先に相談したのは英子さん。「女性の声が政治に届かない。大事なことだから引き受けるべき。一緒に運動する」と背中を押してくれた。

 英子さんは、沖縄の風土が祭祀(さいし)や芸能で守られてきたから、沖縄の人たちが戦火から立ち上がることができたと、自然が軍事基地やリゾート開発で奪われることが耐えられないと、話していた。愛情深い人で、沖縄のことをとても愛していた。朝鮮の人たちのことも世界のことも。世界で紛争が絶えず、離島での自衛隊基地建設が相次ぐ現状を危惧し、平和を望んでいた。

 5月に新しい本の出版パーティーの予定もあったがかなわなかった。でも英子さんの思いは本の中にある。彼女の意思を次の世代に伝えたい。そして本当にありがとうと彼女に伝えたい。

 (パリテカフェ@沖縄共同代表)