有料

陸自オスプレイ「新石垣空港の使用自粛を」 県が沖縄防衛局に要請


陸自オスプレイ「新石垣空港の使用自粛を」 県が沖縄防衛局に要請 陸上自衛隊のMV22オスプレイ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 10月に県内で実施される日米実動訓練「レゾリュート・ドラゴン23」の一環で、陸上自衛隊のMV22オスプレイが新石垣空港を使用することが検討されていることについて、県の溜政仁知事公室長は13日、沖縄防衛局に対し、県内での陸自オスプレイ使用自粛などを口頭で要請した。

 オスプレイの事故が相次ぐ中、民間空港にオスプレイなどを離着陸させる訓練の実施は「県民に事故の危険性への不安などを生じさせる」と訴えた。
 
 県によると、オーストラリア北部で8月に発生した米軍のオスプレイ墜落事故以降も陸自オスプレイが飛行を継続している理由について、防衛局は11日、「当該事故について、米側から飛行停止が必要な状況であるとの説明を受けていない」と県に説明していた。

 これについて県は今回の要請で「事故原因の究明や再発防止策の検討が十分に行われたか確認できず、到底納得できるものではない」と問題視。
 「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」と呼ばれる、オスプレイのクラッチ特有の不具合が明らかになったほか、県がオスプレイ配備に反対してきた経緯も説明し、陸自オスプレイの使用自粛を求めた。

 また、与那国駐屯地でのCH47ヘリを使用した輸送訓練について、可能な限り駐屯地内での離着陸を検討することや県民生活、事業活動への影響を最小限にするとともに、必要な情報を関連自治体や住民に提供することも求めた。

 県によると、防衛局側は、訓練内容は現在、防衛省で調整中だとした上で、今回の訓練について「日米の連携強化、共同対処能力の向上を図る上で重要な訓練だ」と意義を強調した。

 オスプレイを使用する場合は安全面に十分配慮する考えを示した。CH47については、駐屯地内のグラウンドが使用できない場合に与那国空港を使用すると説明。その際には「(空港の)機能や離発着に影響が出ないように配慮する」と説明した。

(知念征尚)