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陸自、弾薬庫5棟を沖縄訓練場に 来年度から整備着手の方針 防衛省


陸自、弾薬庫5棟を沖縄訓練場に 来年度から整備着手の方針 防衛省 防衛省
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 防衛省は2024年度、北海道、宮崎、鹿児島、沖縄の4道県の陸上自衛隊施設9カ所で弾薬庫の整備に着手する方針を固めた。沖縄県では沖縄市の沖縄訓練場で5棟の設計を始める。他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)にも使う長射程ミサイルなどの保管先を増やし、戦闘継続能力(継戦能力)を強化する狙いがある。複数の関係者が18日、明らかにした。

 ミサイルの保管先は有事の際に攻撃対象となる恐れもある。保管する弾薬の種類や数量は公表されない見通しで、安全対策を含め地元への丁寧な説明が求められそうだ。

 弾薬庫は現在、全国に約1400棟あり、32年度までに約130棟を増設する方針。昨年12月に決定した国家安全保障戦略など安保関連3文書に、長射程ミサイルなど弾薬の確保と併せて整備が明記された。23年度は青森、大分両県内に各2棟ずつの整備を始めた。

 24年度はこのほか、北海道の白老駐屯地(白老町)と近文台(ちかぶみだい)(旭川市)、多田(上富良野町)、足寄(足寄町)、沼田(沼田町)、日高(日高町)の各分屯地で弾薬庫整備のための調査を実施。宮崎県えびの市のえびの駐屯地で2棟の設計を始める。鹿児島県瀬戸内町の瀬戸内分屯地では3棟の建設用地を取得する。経費として概算要求に124億円を計上した。

 木原稔防衛相は13日の就任記者会見で、弾薬庫の整備に不安を抱く住民や地元自治体に保管する弾薬の種類などを説明するかどうかを問われ「必要であれば説明を尽くしたい」と述べた。

<用語>弾薬庫

 自衛隊が弾薬を保管する施設。「火薬庫」とも呼ばれる。安全のため地面に穴を掘って保管スペースを設ける地中式や、地表に土を盛って造成する地上覆土式などがある。政府は昨年決定した国家安全保障戦略など安保関連3文書に、他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有と、長射程ミサイルの取得推進を明記。戦闘継続能力を強化するため弾薬の備蓄を増やす方針も掲げた。

(共同通信)