県議会は5日、一般質問が始まり、沖縄・自民の8氏が登壇した。前川智宏土木建築部長は5月に首里城公園内の首里杜館で、発がん性などが指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が放出されていたことを明らかにした。老朽化した消火設備の配管を改修中に作業員が誤作動させたことが原因。すぐに回収したため外部流出はしていないという。これまで公表していなかった。仲里全孝氏への答弁。
県によると、消火設備の消火剤の入るタンク自体は交換済みだったが、配管にPFASが残っていた。配管を検査すると、PFOSは1リットル当たり2100万ナノグラム、PFOAは同96万ナノグラムが検出された。国の暫定指針値(1リットル当たりPFOS・PFOA合計50ナノグラム)でいずれも大幅に超えている。作業員の健康被害は出ていないという。
前川部長は「工事エリア内で発生した放出で、即座に流出対策をして回収した。外部への流出はなかったことから公表をしていない」と述べた。
県施設でのPFASを含む泡消火剤の放出事案は、6月に県庁地下駐車場でも発生。9月に近接する久茂地川に流出していたことが判明し、県は3カ月遅れで公表。玉城デニー知事は公表が遅れたことを謝罪した。
玉城知事は「県民の生活環境に影響を与える恐れのある事務については、速やかな報告体制の整備と県民への公表に取り組む」と述べた。 (梅田正覚)