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【深掘り】オール沖縄、衆院4区の候補選考「難渋必至」 挙がる3氏 選考会の結果を尊重の声も


【深掘り】オール沖縄、衆院4区の候補選考「難渋必至」 挙がる3氏 選考会の結果を尊重の声も 衆院沖縄4区での擁立に向け、会議を終えて立民県連を後にする小沢一郎衆院議員(右)=7月19日午後、那覇市内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 次期衆院選に向け、立憲民主党が元那覇市議会議長でオール沖縄会議共同代表の金城徹氏(70)を沖縄4区公認候補として擁立する方針を固めた。同区候補者選考を巡り、玉城デニー県政を支える「オール沖縄」勢力が一本化に向けた議論を本格化したばかり。選考に関わる与党県議からは「このタイミングかと耳を疑った」と困惑の声が上がる。一方で立民関係者は「あくまでオール沖縄の選考に立民公認として金城氏を挙げるという意思表示だ」と説明する。

ずれ

 党本部は連合沖縄など支持団体からも金城氏を支持する声が多いことなども理由に2021年の前回選挙直後から同氏の公認を既定路線としてきた。金城氏はオール沖縄共同代表としてこれまでの政治経験を生かし知事選や首長選挙など県内の大型選挙を差配してきた。国政政党の支援を受けるに当たり、同氏が立民との窓口になっていた経緯もある。与党県議の一人は「当初は金城氏に決まるだろうとの見方が大半だった」と明かす。

 オール沖縄は4月、1~3区は現職支援を確認し、4区は立民に金城氏の意向を確認するよう一任した。4区の候補者選考をオール沖縄から任された形の立民だが、他候補を模索する動きが県連内で活発化するなど次第に本部と県連とのずれが大きくなっていった。党本部は今年7月に党選挙対策委員長の大串博志衆院議員や党重鎮の小沢一郎衆院議員を相次いで派遣し、県連の説得に乗り出したものの結論が出ないまま「時だけが過ぎた(立民関係者)」。

(左から)金城徹氏 山川仁氏 比嘉京子氏
(左から)金城徹氏 山川仁氏 比嘉京子氏

契機

 6月、れいわ新選組が山川仁氏(49)を4区公認候補として擁立すると発表した。分裂選挙への危機感と公認候補を決められない立民に対する不満がオール沖縄や市民らから噴出した。20日には市町村議員らが「これ以上看過することはできない」などとして、社大党副委員長の比嘉京子氏(73)に同区からの出馬を要請した。与党県議の一人は「10月に入ってあちこちから苦情が来るようになった。まさに時間切れで選考をこちらが引き取った」とため息をつく。

 選考会発足に向けたオール沖縄の動きを念頭に、立民県連は21日に開催した県連常任幹事会で県連として候補者を選定しないことを決めた。一方で党本部の決定には従うことも確認した。

くぎ

 金城氏の公認について与党県議の一人は「昨日、一本化と確認したばかり。まさに寝耳に水」と頭を抱える。4区候補者選考会に関わる別の与党県議は「立民で調整中だった看板が公認に変わったということ。難渋は必至だが他の方々と扱いは変わらない。あくまでもオール沖縄の候補者は選考会で議論する」と冷静にみる。その上で「公正な議論の進め方をする。選考会の決定は尊重してもらわないとわれわれの存在意義がない」とくぎを刺した。

 (佐野真慈、安里洋輔)