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「県外・国外で実施を」 米軍嘉手納基地でのパラシュート訓練に沖縄県の池田副知事が抗議


「県外・国外で実施を」 米軍嘉手納基地でのパラシュート訓練に沖縄県の池田副知事が抗議 嘉手納基地でのパラシュート降下訓練実施などについて抗議した県の池田竹州副知事(右)と、宮川学沖縄担当大使(左)、伊藤晋哉沖縄防衛局長=27日、沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米空軍が米軍嘉手納基地で19日にパラシュート降下訓練を実施したことを受け、県の池田竹州副知事は27日、外務省の宮川学沖縄担当大使と、伊藤晋哉沖縄防衛局長を県庁に呼び、抗議した。

 池田副知事は県や地元の要請や抗議を一顧だにせずに訓練を強行したとして「大変遺憾だ」と説明。「輸送機は足が速く、必ずしも県内で訓練を実施する必要はないと考えている。県外・国外での実施も働き掛けてほしい」として、嘉手納基地での同訓練実施を「例外」でも行わないよう求めた。

 抗議文では、地元の抗議や要請を受け入れず、嘉手納基地の負担軽減も進まない中で訓練が強行されたことに「周辺住民を始め、県民に多大な不安を与えるものであり、断じて許すことはできない」と批判した。

 また、嘉手納基地では昼夜を問わない訓練や外来機の度重なる飛来、県と十分な事前協議をせずに武器搭載可能な無人機MQ9の配備を強行したことなどに触れ「負担軽減と逆行する」と強い懸念を伝えた。

 伊藤防衛局長は、今回の訓練は「例外的な場合に該当する」との認識を示した。その上でパラシュート訓練は伊江島での実施が基本だとした。

 池田副知事はまた、嘉手納基地で訓練中のF35Aステルス戦闘機が18日にパネルを落下させる事故を起こしたことについても「一歩間違えば県民の生命・財産にも大きな影響を与える重大事故になりかねず、大変遺憾だ。米軍の安全管理体制には残念ながら疑念を抱かざるを得ない」として実効性ある再発防止策、安全管理の徹底を米側に働き掛けるよう求めた。(知念征尚)