中国の福岡総領事館は22日、玉城デニー知事が台湾総統選で勝利した民進党の頼清徳氏に祝意を表したことに対し、中国語ホームページで「強い不満と断固とした反対を表明する」と声明を発表した。ただ、知事は会見で台湾問題について踏み込んだ発言はしておらず、中国側の強硬な姿勢は波紋を呼びそうだ。
玉城知事は18日の定例会見で、台湾総統選の影響などを問われ「次期総統として台湾の人々から民主的な選挙で選ばれた頼氏にお祝いの意を表したい」と答えた。台湾を巡る情勢の安定は、国際社会の安定にとっても非常に重要として「(頼氏に)台湾海峡の平和と安定に取り組むことを期待したい」と述べていた。
声明は「『一つの中国』の原則に重大に違反している」などと批判。「日本と中国の台湾地域の関係者間のいかなる形式の公式交流にも反対し、関係者に対し自らの間違いを正し、一つの中国の原則を順守し、『台湾独立』勢力に誤った信号を送らないよう要請する」としている。
昨年11月には、在日本中国大使館の報道官が知事の訪台を前に「あらゆる形式の日本と台湾の公的な往来に断固反対する」とする談話を発表した。
(沖田有吾、呉俐君)