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伊江島降下訓練で「矛盾」 滑走路直さず作戦機使用


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 1月25日に伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練中の米兵3人が提供施設区域外に誤降下した件について、米空軍がMC130特殊作戦機を使用していたことが2日、分かった。米軍は伊江島の滑走路の状態が悪いことを理由に、嘉手納基地で同訓練を「例外的措置」として実施していた。今回、滑走路が修繕されていないにも関わらず、同機を使って伊江島で同訓練を実施したことになり、従来説明と矛盾する。2日に沖縄防衛局から情報提供を受けた県や防衛省への取材で分かった。
 県は近く申し入れる方向で検討している。
 日米は原則として伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練を実施することで合意している。だが、米軍は伊江島の滑走路の状態が悪く、訓練にもっぱら用いられるMC130など固定翼機の離着陸が困難になっていることを理由に、昨年12月と今年1月、嘉手納基地で同訓練を「例外的措置」として実施していた。
 米軍は誤降下した理由について、強風により提供施設外に流されたと説明し、航空機は伊江島補助飛行場内の滑走路には着陸していないとした。
 また、伊江島の滑走路の状態について「降下訓練は可能だが(運用に)非常に制約がある」としているという。
 防衛省担当者は「滑走路を使用する必要のない訓練だったのではないか」との見方を示した。
 嘉手納での相次ぐ訓練実施を受け県の池田竹州副知事は昨年12月27日と今年1月25日、伊藤晋哉沖縄防衛局長と外務省の宮川学沖縄担当大使を県庁に呼んで抗議。同18日には県の古堅圭一基地対策統括監が米空軍に対して訓練に抗議していた。
 パラシュート降下訓練は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)で伊江島補助飛行場で実施すると合意したが、2007年に「嘉手納基地を例外的な場合に限って使用」すると追加合意した。(知念征尚、明真南斗)