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最悪の8人死亡 原因詳細は不明 屋久島沖の事故


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 鹿児島県・屋久島沖で起きた米空軍横田基地所属の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ墜落事故は2023年11月29日に発生した。海上保安庁や自衛隊、米軍が捜索を続けたが、搭乗員8人全員の死亡が認定され、これまでに7人の遺体を収容した。防衛省によると、オスプレイの事故では最多の死者数となった。事故後の飛行停止から3カ月を経て、運用再開が決まったが、事故原因とする部品の不具合は詳細が明かされていない。
 事故当日は通常の訓練で、岩国基地(山口県)から嘉手納基地に向かう予定だった。目撃者によると、事故機は回転して機体が逆さになり、火を噴きながら墜落した。事故機は屋久島空港に緊急着陸を試みており、強行すれば民間機と衝突する恐れもあった。事故を受けて米軍は12月7日、世界中で運用している全てのオスプレイの飛行停止を発表。全世界で運用が停止されるのは初だが、事故から1週間は通常通り運用していた。陸上自衛隊のオスプレイも飛行停止している。
 在日米軍と防衛省は運用停止から3カ月後の24年3月8日に運用停止の解除を発表した。防衛省は事故原因は米軍の調査から「特定の部品の不具合」と公表したが、詳細は公表しなかった。米メディアによると、故障した部品は「ギアボックス」である可能性が取りざたされている。他の機体でも不具合が起こり得るが「オスプレイの設計・構造に問題はない」とした。防衛省によると、米軍は部品交換はせず運用マニュアルの変更などで対応するとした。 (梅田正覚)