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草の根からうねり うるま市民集会 「訓練場いらない」


草の根からうねり うるま市民集会 「訓練場いらない」 石川地区市議団代表 眞壁 朝弘さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「訓練場はいらない」との市民の意思がはっきりと示された。うるま市石川のゴルフ場跡地で予定されている陸上自衛隊の訓練場整備計画の断念を求めて開催された市民集会には、1200人以上が参加し、会場の石川会館の定員を超えてロビーまで人があふれた。住宅街の隣に自衛隊の訓練場を整備する計画について、地元に何の説明もないままに予算案を計上した政府に対し、断固とした抗議の声を上げた。


説明納得できず/石川地区市議団代表 眞壁朝弘さん

 旭区の評議員委員長も務め、この地域に住んで31年。地域活動や行事に関わってきた。
 昨年12月に報道があり、防衛局に説明を受けたが、到底納得のいくものではなかった。
 予定地から15メートルに教育施設の青少年の家もある。
 宮森小事故の遺族も計画に心を痛めている。白紙撤回を強く要請し、孫の世代まで安心して住める環境を維持することを願う。

政治を動かした/市選出県議団代表 山内末子さん

 スタンスを越えて多くの皆さんに後押しをもらった。国、特に防衛施策に対してノーという勇気ある行動はなかなかできない。憲法に保障された住民自治。自治会は一番、基本的な自治で、自治会が掲げた決議は重い。
 自治会の決議が議員、議会を動かし、市長が、知事が断念を求めた。防衛相は「住民の声を重く受け止める」と(言う)。政治家と住民が一丸となり、断念の2文字を勝ち取る。

子ども守りたい/旭区区民代表 冨着志穂さん

 なぜ閑静な住宅街に訓練場を造るのか。宮森小の米軍ジェット機墜落の悲劇を決して忘れてはいけない。子どもや孫、地域の子どもたち、未来の旭区を守るために意思を表明しようと決意した。
 子育て世代の私たちが声を大にして訴えたい。住宅街の中に訓練場はいらないと、将来の子どもたちの安全を守るためにも訴えていく。

市長住民守って/東山区民代表 石川栄弘さん

 東山は東は金武湾、北は石川岳があり、風光明媚(めいび)で閑静な住宅地だ。そこに陸自の訓練地を造ると報道が出た。
 想定外で、宮森小学校のジェット機墜落事故をほうふつとさせる衝撃を受けた。訓練場が造られると生活環境、教育環境への影響は大きい。うるま市には12万人余の市民がいる。
 市長は先頭を切り市長生命を懸けるくらいの覚悟で住民を守ってほしい。

精神的な苦痛だ/市老連石川支部代表 河野修さん

 自衛隊の訓練場整備計画について、政治的な立場を乗り越えて一緒になって皆が断念を求めている。その通りだと思う。
 年齢を重ねるごとに心身が衰えていくが、身体が悪化してしまう要因には精神的ストレスがある。訓練場の整備計画は、つらく苦しかった戦中、戦後の記憶を土足で踏みにじるような行為であり、精神的な苦痛だ。即刻断念するべきだ。

基地負担大きい/市自治会長連絡協会長 山城暁さん

 うるま市にはホワイト・ビーチ、キャンプ・コートニー、マクトリアス、石川のすぐ北にはキャンプ・ハンセンがある。
 正直、負担が大きいと常々感じていた。
 石川青少年の家には皆さんも、親戚やお子さん、お孫さんも、お世話になっていると思う。
 小さい頃から慣れ親しんだ施設の隣に自衛隊施設があるのは、青少年健全育成の立場から容認できない。

長い闘いになる/金武町区長会長 島本勇人さん

 問題になっている訓練場予定地の現場にはすぐ隣に農場がある。ゴルフ場だった時代にはボールが飛んできたこともある距離の近さだ。
 (訓練場になれば)騒音などが大変になる。
 私たちも声を上げ、計画の断念を求める会に率先して参加するべきだとなった。長い闘いになると思うが、力を合わせてやっていこう。