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沖縄全自治体、無電柱化進む 防災、景観面向上 2025年度までに推進計画策定へ


沖縄全自治体、無電柱化進む 防災、景観面向上 2025年度までに推進計画策定へ 無電柱化後の県道16号。歩道に電柱がなくなり通行がスムーズに。景観も良くなった=19日、うるま市のあまわりパーク周辺
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 県内で電線を地中化することで防災面の向上や良好な景観形成などを図る無電柱化が進められている。県内では1991年から無電柱化に向けた計画が策定されているものの進捗(しんちょく)が芳しくなかった。だが、昨年8月の台風6号の被害で多くの地域で停電が発生したこともあり、機運が高まっている。このほど、高率補助の制度を活用するために必要な無電柱化推進計画の策定について、県内の全41自治体が2025年度までに策定することを決めた。

 昨年11月、国と、電力会社や通信事業者などの電線管理者、県や市町村といった道路管理者などで構成する沖縄ブロック無電柱化推進協議会が開かれた時点では、計画策定済みと策定予定が合計で15市町村だったが、その後26市町村が策定すると決めた。

 無電柱化を進めることで、台風などの災害による停電や倒れた電柱が道をふさいで救助や復旧の妨げになることを防止できる。電柱が歩行・通行の支障となっている場所もあるため、安全性や快適性の確保も期待される。電柱や電線がなくなることで景観も良くなる。

 同推進協議会は19日、うるま市のあまわりパークで会議を開いた。2023年度補正予算で創設された、沖縄の離島を対象にした「沖縄離島無電柱化緊急対策事業費補助金」について、西表島、伊良部島、宮古島、渡嘉敷島、伊是名島の合計7路線の事業を採択したことを発表した。

 昨年8月の台風で長期の停電被害などが生じたことを踏まえ、現在実施している第8期無電柱化推進計画(21年度から25年度まで)について、新たに離島自治体などでの計画を追加し、整備延長を昨年11月段階の約97キロから約118キロに増やすことで合意した。

 協議会に先立ち、参加者らが無電柱化が実施された県道16号の現場を見学した。電線管理者が全ての設計や施工を一体的に実施することで、工期を約18カ月短縮できたという。

 (沖田有吾)