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ロウワー地区を緑地開放 日米で共同使用、返還時期は未定のまま 米軍キャンプ瑞慶覧 沖縄


ロウワー地区を緑地開放 日米で共同使用、返還時期は未定のまま 米軍キャンプ瑞慶覧 沖縄 一般公開されたロウワー・プラザ緑地ひろば=30日、北中城村ライカムから
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 防衛省は30日、沖縄市と北中城村にまたがる米軍キャンプ瑞慶覧のロウワー・プラザ地区約23ヘクタールで、整備を進めてきた緑地ひろばの開設記念式典を開いた。来県した沖縄基地負担軽減担当相を兼ねる林芳正官房長官は、返還に先立ち米軍施設を緑地広場として開放することは初めての試みだとし「地元の皆様の生活の利便性の向上に加え、跡地利用の検討に資する空間と時間を創出する」と期待を込めた。

 式典では林氏のほか、鬼木誠防衛副大臣、池田竹州副知事、桑江朝千夫沖縄市長、比嘉孝則北中城村長、マシュー・ドルボ在沖米国総領事らが出席した。

 玉城デニー知事のあいさつを代読した池田副知事は緑地としての利用が「県民が実際に散策しながら、この地区の在り方について思索を巡らすことにつながる」と述べ、早期の返還を求めた。

 ロウワー・プラザ地区は2013年に発表された嘉手納より南の米軍施設統合計画で、住宅の移転を条件に「24年度又はその後」の返還が決まっているが、現在は返還条件が整っていないことから返還ではなく日米共同使用の形をとる。返還時期は未定だ。

 22年には岸田文雄首相が現地を訪問し、返還に先立って緑地公園として一般利用する考えを表明。今年1月の日米合同委員会で、緑地公園として共同使用することで合意した。

 林氏は、琉球大医学部と同付属病院の移転を核とした沖縄健康医療拠点整備が進む西普天間住宅地区跡地も視察した。

 (知念征尚)