閣議後会見に臨む木原稔防衛相＝9日、国会内
明 真南斗 【東京】人体に有害なポリ塩化ビフェニール（PCB）廃棄物を巡り、米国防総省が過去に在日米軍施設内で長期保管する危険性を指摘していたことについて、木原稔防衛相は9日の閣議後会見で「関係法令に基づき、保管庫で密封した容器に保管するなど飛散や流出を防止する措置を講じている。周辺環境に影響を与えるものではない」と答えた。防衛省の見解と対応を記者から問われた。
米国防兵たん局（DLA）は2002～13年の公文書で、長期保管による流出などの危険性を指摘していた。一時期は米本国に廃棄物を持ち帰っていたが、現在はPCB廃棄物を基地内に残している。
現在、防衛省は米軍から引き取ったPCBを含む海外製の蛍光灯用安定器約280キロ分をキャンプ・シュワブ内で保管している。他にも米軍施設内にはPCB含有機器が残されているが、日本政府が総量を把握できていない。
日米両政府は残されたPCB廃棄物の処分方法を協議中で、防衛省は処分方法が決まるまで各基地内で保管する方針を示している。（明真南斗）
